アメリカのラッパー、ソウルジャ・ボーイが、同社の製品をリブランドしたと思われる携帯ゲーム機を販売したとして非難されたことを受け、レトロイドは声明を発表した。ソウルジャ・ボーイが物議を醸すゲーム製品のホワイトラベル化や再販で非難されるのは今回が初めてではない。
2018年には、任天堂からの法的措置の脅威を受けて、ソウルジャ・ボーイは自身のゲーム機を回収せざるを得なかった。彼が発売した製品の一部には、許可なく同社のクラシックタイトルを動作させる任天堂エミュレータが含まれていたようだ。2021年には、オリジナルのRetroid Pocketをホワイトラベル化し、自身のブランド名で再販したとされるゲーム機市場への再参入を試みた。そして2025年、ソウルジャ・ボーイが再び登場。他のRetroid製品と酷似した新型携帯型コンソールを宣伝している。
Retroid、ソウルジャ・ボーイの自社製品リブランディング・再販を非難
Retro Dodoのブランドン・サルタラマッキアへの取材で、Retroid関係者はソウルジャ・ボーイが同社製品をリブランディングする法的権限を持たないことを確認した。「当社の製品を自社ブランドとして再販する許可は与えられていない」とレトロ携帯ゲーム機メーカーは声明で述べた。また「Pocket Flip 2」は米国でRetroidが特許を取得しているとも指摘。SouljaGame Flipと改名されたこの模倣品とされる携帯ゲーム機は、ラッパーの公式ウェブサイトで約200米ドルで販売されているが、報道によれば当初価格は400米ドル以上だったという。
SouljaBoyが新ゲーム機を発表… これは単にRetroid Pocket Flip 2/Pocket 4のクローンだhttps://t.co/B4C262QJqu
「これはいかなる公式ライセンス契約でもありません。彼は当社製品をリブランドし自社製品として販売する許可を得ていません」 – Retroid pic.twitter.com/4gWzQxQ2dH
— Wario64 (@Wario64) 2025年11月3日
SouljaGame FlipとRetroid Pocket Flip 2を比較すると、両ハンドヘルドがほぼ同一の仕様を提供している点で驚くべき類似性が明らかになった。また、現時点でソウルジャ・ボーイ本人からの公式声明は一切ないことも特筆すべき点である。
Retro Dodoによれば、このアメリカ人ラッパーはRetroidのもう一つの人気携帯ゲーム機「Retroid Pocket 4」も模倣したとされる。ただし、その製品はSoulja Boyの公式サイトから既に削除されており、販売終了の可能性が高い。しかし残存する模倣品とされる画像からは、オリジナルとの明らかな類似性が確認でき、両者を区別するのは困難である。
ソウルジャ・ボーイはゲーム機事業で経済的成功を収めているとされる。2018年には高価格にもかかわらず、自身の「ソウルジャゲーム」コンソールが500万台以上を販売したと主張していた。今回の論争を呼ぶ新製品「ソウルジャゲーム・フリップ」が同等の成功を収められるか、あるいは過去の主張した販売台数が正確かどうかは未知数だ。レトロイドがこの状況をどう対応するかも注目される。

